「夫婦が本音で話せる魔法のシート」はコミュニケーションの有効ツール。
前回は、書く前に雑談をしてみた模様をお届けしました。
満を持して、今回はついに会議本番です。
実際にシートを見ながら話してみたときのことをまとめます。
我が家の前提(今回の夫婦会議の背景)
我が家は、夫はそれなりに激務で持ち帰りの仕事も多め。
私は在宅で編集ライターをしながら、家事と育児を回しています。
子どもは、小学校高学年〜未就学児までのきょうだい。
平日はほぼワンオペで、家事・育児・習い事の送迎などすべて対応しています。
いわゆる共働き、というほどガッツリ働いているわけではないけれど、
家にいるからこそ、止まらない家事と時間割に合わせて一日を回している感じです。
「家事を減らしたい」とか
「もっと協力してほしい」とか。
そういう言葉が頭の中にずっと居座りつつ、あまり口には出していませんでした。
シートを前に、夫婦で向き合ってみる
私と夫それぞれが記入した作戦会議シートとコーヒーを手元に用意して、
シートを見ながら話してみることにしました。
ルールはひとつだけ。
相手の回答を見てすぐ反論しないこと。
まずはそのまま受け取るところから。
「素直な気持ち」をそのまま出してみた
まずは、シートでいうとPART.1ですね。
それぞれの回答をお見せしたいと思います。
リンクはこちら→PART.1 素直な気持ちを伝えてみよう[PDF形式:118KB]
夫の回答
夫の記入はこんな感じでした。

・私の1日は、「充実している」
・「元気な子どもたち」には満足している。
・でも本当はもっと「家の片付け」をしたい。
・妻には「存在」に感謝しています。
・欲を言えばもっと「片づけしてくれると」嬉しい。
正直、読んだ瞬間ちょっと笑いました。
「存在」ってなに?
と、思いつつも。
ちゃんと感謝はしているらしい。
ただ、「片づけしてくれると」という一言に、
ああ、やっぱりそこ気になってたんだな…とも。
自分ですれば良くない?
心の中で小さくツッコミを入れつつ、次はわたしの番です。
わたし(妻)の回答
一方、私のほう。

・私の1日は「楽しい・忙しい・疲れる」。
・子どもたちの存在、ご近所付き合いには満足している。
・でも本当はもっとラクしたい、趣味も楽しみたい。
・夫には「基本的に家事に文句を言わないこと」に感謝しています。
・欲を言えばもっと、家事や育児に関わってくれると嬉しい。
書きながら思ったのは、
「文句を言わない」に感謝してる時点で、
もうだいぶハードル下がってない?
という自分へのツッコミ。
でも、それが今のリアルでした。
実はここがいちばん溜まっていた(妻の本音)
正直に言うと。
この話し合いの最中、
夫の「片づけしてくれると」云々よりも、
あ、私これ、ずっと我慢してたな
という印象のほうが強かったです。
というのも、我が家は基本ワンオペ。
夫は「何もしない人」ではないけれど、
自分のペースを崩さずに動く人。
だから私の中では、
だんだん「大人の戦力」として計算しづらい存在になっていました。
悪気はない。
でも生活の流れを止めてしまう場面が、何度もあったんです。
たとえば──
夕飯に間に合う時間に夫が帰ってきた日。
よし、今日は一緒に食べられる、と思って
あつあつのおかずを盛りつける。
荷物を置きに行って戻ってこないなー…と思ったら、
「お父さんおふろはいってるー」と子どもの声。
……いや今???
こっちはタイミング見計らって盛ったんですけど。
湯気出てたんですけど。
結局、夫の席のおかずは冷える。
そして私は、ラップをかける。
また、以前は、帰りが遅くなった日は
自分で食べるけれど、洗い物はそのままということもありました。
朝、シンクに残った食器を見るたびに、
小さくため息が出ていました。
今はやっと、自分の食器は洗うようになりました。
それを成長と呼ぶかどうかはさておき。。
書いてみて気づいた、私たちの「ズレ」
このシート、
気持ちを書くだけじゃなくて、
「今どう暮らしているか」を一緒に振り返り、理想の暮らしに近づけるには?を考える設計になっています。
PART.1の時点で話してみて分かったのは、
夫は「やらない」のではなく、
私たちの生活リズムと完全にズレた場所で生きているだけ。
いちばんしっくりきたのが、この違いに気づいたときでした。
私は毎日、たとえば夕方〜夜であれば、
ごはん準備 → 配膳 → 食べさせる → 片づけ → 洗い物 → 明日の準備→・・・
という止まれない一本の流れの中で動いています。
途中で抜けると全部が崩れる、エンドレス家事リレー。
この合間に宿題を見たり、習い事の送迎が入ることもあります。
一方、夫は、
疲れたら、身体が冷えたら風呂
時間が空いたら仕事
気が向いたら子ども
という割り込み式。
私は線路の上を走る電車みたいに、次の駅も発着時刻も決まっていて止まれない。
乗客はもちろん子どもたち。
夫はタクシー。行きたいところだけ選べる。
私は「このあと困らないように」を先回りして動いていて、
夫は「今の自分」を優先して動いている。
だから私は常に全体工程を背負っていて、
夫は単発ミッションのみ、かつ自由選択制。
同じ家にいるのに、
生きている構造がまるで違いました。
喧嘩にならずに伝えられた理由
もしこれを普段のタイミングで言っていたら、
「なんで今言うの?」
「俺なりにやってるじゃん」
で終わっていたと思います。
でも紙に書いてから話したことで、
感情じゃなく生活の構造として説明できた。
「あなたが悪い」じゃなくて、
「私の一日はこう回ってて、ここが詰まってる」
という話ができたのは大きかったです。

たぶんさ、優先順位が違うんだと思う

優先順位?

私は家にいる間、基本ずっと子どもの時間を軸に動いてるのね。
子どもを食べさせて、時間どおり寝かせて、
朝はちゃんと送り出す。
その間、自分のことは後回し。二の次、三の次

・・・。

それ自体に不満があるわけじゃない。
子どもに対してなら、それが当たり前だと思ってる。
でもさ。あなたまで「当たり前側」に入っちゃうと、
私ひとりで主担当が固定される感じになる

俺なりに動いてるつもりだった・・・

じゃあ今日ね。
ごはんできてたのに先にお風呂入って、
あつあつ冷めて、
食後すぐ仕事して、
洗い物は全部こっち。
食器は子どもが下げてくれる、自分の飲み物だけ自分で準備する。
わたしは洗い物の途中で子どもの仕上げ磨きに行く。

できるできないの話じゃなくてさ。
自分のタイミングで動いてるってとこが問題なんだと思う。
家に大人が2人いて、でも大人の手としてカウントできないって、シンプルにストレスだよ

……確かに。俺、自分のタイミングでしか動いてないな
ようやく、同じ地図を見られた?瞬間でした。
「家事の分担」より先に、負担の正体を出した
PART.3 「家のこと」のシェアの仕方を考えよう[PDF形式:290KB]
2人の関わる家事・育児について、理想の割合は?
という欄が一番上にあるのですが、
これ、面白いのが夫4:妻6で完全一致だったんです。
そして夫は2〜3できていると思っていて、妻(わたし)は自分が9だと不満を持っていました。
書き出す家事は、夫は細かめで部分的、わたしは細かく書くと書ききれないのでざっくりめ。
どんな家事があるか、わかっているようでわかっていない、それでもまったくの無関心ではないんだな、が正直な感想でした。
ここは思ったより工程が多いな、これは外注もひとつの手段だね、という言葉が夫の口から出たのはとても良かったです。
こちらのパートについては長くなるので、別記事でご紹介したいと思います。
3年後の話をしたら、意外と現実的だった
PART.4 3年後の自分たちを想像してみよう[PDF形式:143KB]
3年後の話も少しだけしました。
キラキラした未来というより、
「今の延長線上で、どこを変えたいか」くらいの温度感で。
遠いようで実はすぐ。
それでも、大人にとってはたかが3年、子どもたちにとってはかなり大きな変化・成長が起こる期間です。
こんなことしたいね、こうなってるかな?と最後は駆け足になってしまいましたが(時間の都合上)、
楽しい話もできたと思います。
正直に言うと、劇的に何かが変わったわけではありません
夫婦会議をすることで、
まずは会話の時間が増えること。
次に、わたし自身の現時点の不満が伝わること。
できれば現状が変わること。
を、期待していました。
夫婦会議を終えて。
今も基本は、
言わなきゃやらない。
これは変わってません。
でも、
言えばやるようにはなりました。(ワーパチパチ👏)
子どもが生まれて10年以上経っても主担当は私のままだけど、
「大人の手として数えられない存在」から、
「声をかければ参加する人」には昇格。
小さいけれど、我が家では大きな進歩です。
夫婦会議で一番よかったこと
完璧な分担表ができたわけでも、
家事が半分になったわけでもありません。
でも、
私は線で一日を回していて、
夫は点で動いている。
「やっている量」の話ではなく、
「どんな景色が見えているか」を共有できたこと。
これが一番大きかった。
お互い悪気はない。
ただ、見えている世界が違っていただけ。
そうわかっただけで、
イライラの角度が少し変わりました。
まとめ|夫婦は「整える」より「すり合わせ」
夫婦会議って、
何かを決める場じゃなくてもいいんだと思います。
正解を出さなくても、仲良くならなくても、
「今こんな感じなんだね」と現在地を共有できれば十分。
できるできないの話より、
どう見えているかの話。
完璧な分担より、
小さな理解。
今日も私は線で回し続けています。
夫は相変わらず点在型。
それでも以前より、
同じ地図の上に立てている気がしています。
それだけで、
また明日を回せる理由になります。
夫婦が本音で話せる魔法のシート。
このシートは、
何かを決めるためのものというより、
同じ地図を見るための道具だった、そんなふうに思います。
みなさんもぜひお時間のあるときに夫婦会議、してみてはいかがでしょうか?
内閣府男女共同参画局|夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」
次回、分担編に続きます!





